プレオルソ開発者
「矯正専門医」大塚 淳の一診入魂

「指しゃぶ」「チック」

診療室から

【こんにちは 大塚矯正歯科クリニックの大塚 淳です】
 今日は診療室からです

「指しゃぶ]
「チック」

 「パシッ!! 全くいつになったらこの子は、指しゃぶりをやめるのかね?」
涙ぐむ子供、
 「何回言ったらわかるの!」
 「もう、あなたは、今年から小学生なのょ、小学生になって指しゃぶりをしている
  子なんか見たことないわ!恥ずかしくて、
みんなでお食事会なんて連れて行けないじゃないのよ!」
「そんな事してるから、出っ歯になっちゃったのよ、あなたが指しゃぶりをやめれば
 出っ歯にならなかったのに、これで歯の矯正することになったら、お金がかかるのよ」
「少し分かっているの!」
「ほら、また手が行っている!!」
「やめなさい!」
「パシッ」
少し、脚色しすぎですが、「指しゃぶり」しているお子さんがいるご家庭では
こんな会話が少なからずあるのではないでしょうか?
少し語弊があるかもしれませんが、私は「チック」と「指しゃぶり」は
同義語と捉えています。
チックはトゥレット症候群とも言われており、脳の器質的の要因が大きいと書かれている本もありますが、軽症であるチックは成人になる前に消失するのが普通です。
指しゃぶりでは、もう少し低年齢で消失するのが普通です。
私事で恐縮なのですが、家の長男坊なのですが、幼稚園時に
指しゃぶりはなかったものの、チックを連発していた時期がありました。
日替わりで症状が変わります。今日は顔を歪めて、翌日は、目がパチパチ
暫くやんだなと思うと、今度は、飛び跳ねたり、つばを吐いたり、、、と多種多様です。

私は、「トゥレット症候群」に関する文献を読み込みました。
そこで、ある一つの驚くべき事実に辿り着きました。
「指しゃぶり」や「チック」は、実は本人が一番やめたがっているんです。
でも、自分の中のもう一人が手を持っていったり、目をぱちぱちさせるらしいのです。
信じられないかも知れませんが、事実のようです。
ではどうしたら「指しゃぶり」「チック」を止める事ができるのか?
ここでは、心因性が原因であると考えて話を進めていきます。

話を元へ
 チックをしている、我が子へ「やめなさい」と言いたい気持ちを抑えて冷静になり、
よくよく観察してみると、お母さんに叱られた時、友達と喧嘩したときなどなど、
「ストレスを与えた時」と「チック」がでる時が完全に符号するのがわかりました。

そこで、これを逆手に捉えて、チックが出た時に、「幼稚園は楽しい?」
「お昼ご飯は美味しいかい」などと聞く作戦にでました。
そうすると、「出てくる 出てくる」不安や悩み・・・・
こんな小さい子でも大人からしてみるとなーーんだと言うような悩みが子供にも
あるのですね。
そんな作戦で子供と話していた時こんな会話がありました。
「今日のチックは、飛び跳ねるやつだけど、食事中だとドンドンしてみんな食べにくいから、この前の目がパチパチするやつに変えてもらえないかな」
「んん、、、自分でもそうしようとしてるんだけど、どうも今日は飛び跳ねるやつが出てくるんだ」
「それじゃ しょうがないな」
(笑)
こうなるとあーーみんな自分のチックの事を理解してくれてるんだなぁー
と安心してくるようです。

ここまでくればお分かりかと思うのですが、治療方法は「子供の悩みを聞いてあげる」
だけなのです。家の子は悩みなんてないはずだ!と言われる方がいるかも知れませんが
大人の世界と子供の世界は違います。下がまだ小さい2人兄弟のところへ赤ちゃんが入って来て、一番愛情が欲しい次期の中子だったりすると、お母さんは如何しても、赤ちゃんへ目がいってしまい、中子が寂しい思いをするようです
例を挙げればきりがありませんが、まず子供と会話する事が大切です。

それでも、子供の悩みを聞いただけで、突然、指しゃぶりやチックが
治まるものではありません。やはり、時間はかかるものです。
そんな時、一番いけないのが「やめなさい」と言う言葉です。
前述のとおり自分ではやめたがっているのです。
指しゃぶり、チックが出たら手をとって頭をなでるこれで終わりです。
指しゃぶり、チックには焦らないで「子供の話を聞く」この「聞く技術」が一番いい薬のようで


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